目黒に勤めている会社員ならわかるだろう。
ランチ難民。
またコンビニは嫌だなー、
あてもなく獲物を狙うチーターのように彷徨っていると、行列のないとんかつ大宝。
すっと入店できるなんてラッキーだよね。
もう何年前だろう。
25年以上前に初めて踏み入れたこのお気に入りのとんかつ屋。
ここ最近何かがおかしいな。
と思いディーブな部分まで検索してみた。
※普段検索しているのはウェブ、これはほんの表層にすぎない。
その下の”浅い”と”深い”の中間にはミッドディーブウェブとでも呼ばれていそうな未知の記事が埋もれていると思っている。
確か10年くらい前の記憶では、いつもハキハキした感じの良い女将さんとその子供たちで店を回していた。
「ご飯とキャベツおかわりできますからネ~」
働き者のすごい良い感じのおばちゃん。
とても愛想がよくてランチだけでなく会社帰りに弁当をよく持ち帰った。
引用:eataku.com
この前後には揚げ師で鴇田廣氏という方が大将でとんかつを提供していた。
寡黙な大将って感じ。
当時伺ったところ、この鴇田氏は経営者ではなく従業員と聞き非常に驚いた記憶がある。てっきり完全な家族経営だと思っていたからだ。
詳しくは後述するが36歳で飲食の道に。皿洗いからデリバリースタッフを経て目黒とんかつ御三家と言われる名店の大将として熟練の技で店を支え続けた方だ。
妙な違和感を感じ始める
出向が終わり、勤務地が目黒に戻りまた大宝に行きだす。
あれ?なんか変わったな。
長い事、揚場にいた鴇田氏がいなくなり、東南アジア系の従業員に変わって女将さんも店にいない事が多い。
鴇田氏もいなければ女将さんもいない、息子さんたちもいない。
マレーシア?ベトナム系?の従業員に軽く聞いても今日は来てないと。
後日、権之助坂商店街の某飲食店で色々聞かせてもらって色々と衝撃な事実が次々と。
・鴇田さんが独立
とんかつ大宝から目と鼻の先に”とんかつ潤”を2020年9月10日に出店後すぐ閉店。
学芸大学に”とんかつ鴇田”を2021年7月1日に出店するもすぐに閉店。
引用:”目黒とんかつ御三家”の名物大将が作るとんかつにファン続出
36歳でとんかつ大宝に就職、25年以上も大将として揚場に立っていて独立か定年かで退職、よくある従業員が退職して人手不足で従業員が外国人。近年、コンビニ店員に外国人が多いように。
だと思っていたら、少し違うようだった。
・お女将さんの体調
いつもニコニコハキハキのおばちゃん、いや、お女将さんはどおやら体調を崩し、たまにしか店にきてないらしい。そこでお女将さんの親戚がとんかつ大宝の経営を始めたから従業員がガラリと変わったようだ。
もう、あの澄んだ声でお客を捌くお女将さんには会えないのか?
・経営者が同じ
とんかつ目黒こがねを経営する前述の親戚がとんかつ大宝の経営を始める。
こがねに行った事がある人ならわかると思うが大宝とどことなく似ている。
※ちなみに「とんかつ潤」も「とんかつ鴇田」も大宝にそっくりだ。そりゃそうだ。
東南アジア系の従業員と日本人の従業員で大宝とこがねを回していたからだった。従って従業員が変わった付近で大宝の経営が変わったのだと思う。
この頃にも、いつものとんかつを食べたが味は特に変わっていなかった。というか従業員が変わっただけで何も変わっていなかった。
ここでも疑問が。
なんで息子さんたちは継がないのかなと。
昔、三田通りに”とんかつ天津”というヒレカツが旨い名店があったをご存じだろうか。
ここは後継者不足で閉店してしまった。
とんかつ大宝も同じような感じかなと思っていたが結末は違った。
とんかつ御三家
こちらの話もかなり衝撃的だった。
みなさん、とんかつ御三家と言われればどこですか?
とんかつとんき、とんかつかつ壱、とんかつ大宝
この3店ですよね。
かつ壱の店主はとんかつ大宝のマスター(後述する初代店主はマスターと呼ばれていた)から、とんかつの揚げ方を少し教えてもらったようだ。
最近聞くようになったとんかつ四天王、とんかつ目黒こがね(大宝の女将さんの親戚)はマスターが一からとんかつの作り方を教えてあげたようだ。
※先述の権之助坂の某飲食店で昔の話を聞くとマスターは結構凄かったようだ。
店内への入口は現在の様な正面から入る扉ではなく、横に扉があるような感じ。
とんかつ屋と言えばカウンターは大体木製だが、とんかつ大宝は大理石。
マスターを慕って次々と人がやってきたようだ。
人徳に恵まれ、今のとんかつ大宝があるとの事。
皆さん疑問に思った事はないだろうか、割り箸の袋に”とんかつ大宝権之助坂店”と記載があるのを。
バブルの頃、とんかつ大宝は出前に特化した店舗もあったようだ。
マスターが揚場に立っていた頃は色々な意味で凄かったのが窺える。
目黒とんかつ御三家、目黒とんかつ四天王と呼ばれているが元を辿れば。。。
ラーメン屋もこんな感じなんですかね。
とんかつ大宝のマスターは?
こんなにマスターの話をされると気になる。
なんとつい最近までとんかつ和紀という大田区にあるとんかつ屋で”マスター”をしていたようだが亡くなってしまったようだ。
なんとなんとマスターの息子がこのお店を継いでいるようだ。
横浜の家系ラーメンでよくある「総本山直系」だとか「ラーメンの祖」とかあるけど、こちらの大田区にあるとんかつ和紀は正統の直系店のようです。
とんかつの祖、マスターから息子に。
一子相伝、口伝により受け継がれてきた「とんかつ大宝」
行ってみたいですね、直系。
ある日、とんかつ大宝は別物に・・・
50年を迎えるとんかつ大宝。
完全な違和感を感じたのはこの時だ。
目黒のとんかつ大宝、一時閉店+移転先探し中とのこと。まじか pic.twitter.com/qxkOvgKtRO
— yamaken | CIO@primeNumber (@yam_dr) July 31, 2023
このツイート。
とんかつ大宝の閉店、さらには移転先。
閉店からの移転先探し中って確実に問題があったからって事でしょ。
当時私は、閉店と聞いてとにかくショックだった。
もう同じ味のとんかつは食べられないの?
こんな感じの喪失感だった。
大宝がリニューアルかなんかで色々検索していると妙な記事が、、、
これは間違いなく「とんかつ目黒こがね」と「とんかつ大宝」だと。
さらに調べていくと、、
どうやら韓国系の企業に買収されたようだ。
株式譲渡も完了して新しい経営者に変わったようだ。
さらに深く深堀していくと上記の新経営者と、元とんかつ大宝経営者のほうで一悶着あったようだ。
商標トラブル。。。
というか、大宝の持ち主が異議申し立て?
この辺は学がない私ではどういう事かわかりません…
現在は商標問題が全て解消され新しい経営者に。
従業員全員外国人、コンビニ店員に外国人が増えたように、これも時代の変化なのかな。
今後もいつもと変わらないとんかつ大宝の味だったらいいですね。