「スターリンクが普及したら、ドコモやau、ソフトバンクは不要になるのでは?」
最近、こんな声を見かけることが増えました。
結論から言えば、日本の通信キャリアが消えることはありません。
ただし、通信の役割や稼ぎ方は確実に変わりつつあります。

スターリンクは「万能なインターネット」ではない
スターリンクは、SpaceXが提供する衛星インターネットサービスです。
地上の基地局や光回線に頼らず、宇宙の衛星と直接通信します。
強みはとてもシンプルで、
- 山奥でも
- 海の上でも
- 災害で回線が切れても
「とりあえずネットが使える」こと。
一方で、都市部ではどうでしょうか。
- 光回線ほど速くない
- 遅延はやや大きい
- 専用アンテナが必要
- 月額も決して安くない
つまりスターリンクは、すべてのネット回線を置き換える存在ではありません。
なぜ日本のキャリアは終わらないのか
日本は「通信インフラ過剰国家」
日本は世界でも珍しいほど、通信インフラが整っています。
- 光回線がほぼ全国に敷設済み
- 4G・5Gの人口カバー率が非常に高い
- 都市部では速度・安定性・価格の三拍子が揃っている
この環境では、スターリンクは「便利」でも「主役」にはなりにくいのが現実です。
スマホ回線は代替できない
スターリンクは基本的に固定設置型です。
- スマホ1台で完結しない
- 屋内や移動中は弱い
- 日常使いの快適さは携帯回線に劣る
私たちが毎日使うスマホ通信を、スターリンクがすぐに置き換えることはありません。
それでもスターリンクが「勝つ」場所がある
山・島・過疎地
光回線や基地局の整備が赤字になる地域では、スターリンクは非常に合理的です。
「インフラを引く」から「アンテナを置く」へ。
この発想転換は大きい。
災害・非常時
地震や台風で地上回線が止まると、ネットも電話も使えなくなります。
その点、衛星通信は別ルート。
実際に、行政・自衛隊・企業のBCP(事業継続計画)では、
スターリンクは「保険」ではなく「実戦装備」になりつつあります。
船・飛行機・キャンピングカー
海の上、空の上、走りながら。
これまで通信が不安定だった場所では、スターリンクはすでに主役です。
ここは正直、既存キャリアの出番はほとんどありません。
日本のキャリアは何をしているのか
興味深いのは、日本のキャリアがスターリンクを「敵」と見ていない点です。
例えばau(KDDI)は、スターリンクと提携しています。
目的はシンプルで、
- 山間部の補完
- 災害時のバックアップ
自前主義から、組み合わせる時代へ。
本当の変化は「通信が安くなる」こと
スターリンクがもたらす最大の変化は、キャリアが消えることではなく、「通信そのものが特別な価値ではなくなる」ことです。
今後、キャリアが競うのは
- 決済
- 金融
- ID
- データ活用
回線は「前提条件」になり、儲ける場所は別のところへ移っていきます。
まとめ
- スターリンクで日本のキャリアは終わらない
- ただし「全部自前インフラ」は限界
- 山・海・災害時はスターリンクが主役
- 都市・スマホ・日常通信はキャリア
- これからは「補完関係」が当たり前になる
スターリンクは破壊者ではなく、通信の常識を一段引き上げる存在なのかもしれません。